平成27年度世田谷区歯科医師会口腔衛生センター医局員研修会
発信日:2016年03月26日

  平成28年3月26日(土)午後6時45分よりホテルサンルートプラザ新宿にお いて、平成27年度世田谷区歯科医師会口腔衛生センター医局員研修会が行わ れました。

  世田谷区歯科医師会の口腔衛生センターは、1981年にノーマライゼーショ ンの理念を背景とした「完全参加と平等」をテーマとして取り組むこととな る「国際障害者年」が制定された同年10月1日より、会立歯科センターの時 代を経て、区内の障がいをお持ちで一般診療施設においての治療が困難な方々 の歯科医療と口腔衛生指導を30年以上継続して実施しております。

  医局員研修会は、口腔衛生センター医局員として、提携の大学講座の教授 及び派遣指導医と今後の活動における打ち合わせと、研修並びに障がい者認 定医の資格を持つ医局員より講習を受けることで、さらなる区民に対する歯 科医療の充実を図る目的で行われます。

  司会・開会を安藤一夫医局長より行われ、始めに中野幹夫診療所長より、 今後もより安全な診療を意識をして区民と会員に対しセンターの運営を行っ て頂きたい。4月より口腔衛生センターの事業拡充に伴う今後の活動意義と 今後増加傾向に成ろう会員の診療所での治療困難な高齢者や障がい者の患者 さんの受け皿になり得る活動も必要であろうと挨拶を頂きました。

  続いて、渡辺明夫担当理事より口腔衛生センター委員会報告として、医局 会開催、第32回日本障害者歯科学への参加及びポスター発表、障害者歯科認 定医連絡協議会の開催、口腔がん検診、摂食・嚥下プロジェクト委員会のVE 総合実習及び活動報告、平成28年4月から日本歯科大学の先生と当センター にて行っている事業拡充に伴う診療時間の変更と活動内容報告が行われまし た。

  鶴見大学歯学部小児歯科学講座 朝田芳信教授より、今後もセンター指導医 との連携により、安全に注意を払い患者さん中心の治療を心がけて頂きたい との来賓挨拶に引き続き、「小児歯科の現状と今後の方向性について」の演 題にて約50分間の講演会が行われました。小児歯科の昨今の考え方の変遷の 解説と小児期に於ける生活習慣と取り巻く環境の変化に伴う治療と予防の変 化、今後更に必要となる隣接面などの予防法考察などを講演頂きました。 小児の永久歯交換期でのクラウンループや小児義歯などの治療実態報告と 特に平成28年度より保険診療導入になった舌圧検査について、小児の口腔機 能障害の評価を具体化する検査が導入された経緯を詳しく説明して頂きまし た。更に、今年度導入が見送られた、機能改善を動機付けに役立てる方法と して口唇閉鎖力検査などの今後保険収載に向けた取り組みを説明して頂きま した . 

 

 

 

 しかしながら、3歳児未満のデータが収集不可能などの問題点を今後鑑 みる必要がある為、将来的には出生後直ぐにDNA診断を用いたゲノムベース のリスク診断が行えるような時代が見込まれる時代が近付いている事。更に 既存の唾液リスク診断等との併用によりさらに診断精度が上がる様になり得 るだろうと講演頂きました。また、社会環境因子として虐待児童の対応につ いて開業医の取り得る方法と大学での対応の諸問題、児童相談所への通報時 期とその他の案の考察について実体験を踏まえ講演頂き講演会は終了致しま した。

 

閉会の挨拶を飯嶌大典副医局長より頂き閉会となりました。

口腔衛生センター IT担当委員 田中克佳